2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530481
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福島 治 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40289723)
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Keywords | 自己表象 / 他者表象 / 社会的認知 / 特性情報 / 特性判断 / 自己認知 / 自己概念 / 対人関係 |
Research Abstract |
本研究の目的は、自己と他者の特性概念間の認知的リンクを明らかにすることである。人々は異なる他者との間では異なる相互作用を展開するが、このことから、自己に関する特性概念は、相互に独立的な他者を条件としたサブセットを構成すると仮定した。本研究では、他者を条件とした自己の特性概念は、他の他者ではなくて、その他者の特性概念の使用によって利用可能性が高まることの検証を試みている。 昨年度までに得られた知見として、ある人物(例:「父」)について、ある特性語(例:「親切な」)のあてはまりを判断した後には、この他者を条件とした自己(例:「父といる自分」)に関する同じ特性語のあてはまり判断が促進されることを示唆する知見が得られた。このように、特定の人物の特性情報の利用が、他の情報に比べて、その人物を条件とした自己の特性情報の利用を促進することは、当該情報間に認知的なリンクがあることを示唆している。 本年度は、連続して実施する2つの判断の特性語が異なる場合にも同様の促進効果が見られるかを検討した。対象人物は、父と母、各々を条件とした自己であり、実験課題が特性判断、コントロール課題がこれらの人物と日用品(例:「手袋」、「万年筆」)との関連性判断であった。その結果、全体としては、対象人物に依存せず、コントロール課題に比べて、他者の特性判断は自己の特性判断を促進した。さらに、女性被験者に限ってではあるが、父の特性を判断した後には母の特性を判断した後よりも、父を条件とした自己についての特性判断が有意に速く遂行された。
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Research Products
(1 results)