2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530491
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
田中 知恵 Showa Women's University, 人間社会学部, 講師 (50407574)
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Keywords | 社会的情報の処理 / 感情制御過程 / 感情制御方略 |
Research Abstract |
1.感情制御過程の自動性について検討するため、実験を実施し、対象から生じる感情の予期を非意識的に操作して説得メッセージに対する精緻化の程度を測定した。実験参加者には3つの課題に参加してもらうと告げ、最初に単語対の記憶課題によりニュートラル語に対してポジティブもしくはネガティブな感情的連合を作った。2番目の課題として映像視聴によりポジティブもしくはネガティブな感情状態を導出し、最後に印刷媒体広告を呈示して、その評価について測定した。この広告の見出しには最初の課題で用いたニュートラル語が含まれていた。その結果、ネガティブ感情状態にある場合に、ネガティブな感情の予期が生じる対象への評価が低まり、ポジティブな感情の予期が生じる対象への評価が高まった。この効果は、ネガティブ感情改善の自動性を示唆するものであった。本研究結果は昨年の日本心理学会第72回大会において報告された。 2.上記の研究では感情の予期の操作が弱かった可能性があったため、実験手続きを変更して追試した。評価対象を印刷広告から映像広告へと変更し、予期の操作で用いられたニュートラル単語を広告メッセージの前に呈示した。その結果、ネガティブ感情状態にある場合、ニュートラルな感情の予期が生じる対象の評価が、ネガティブな感情の予期が生じる対象の評価よりも高く、先行研究と同様に自動的な感情改善の働きが示された。本研究結果は本年の日本心理学会第73回にて報告予定である。 3.感情改善方略の期待感による調整効果について検討するため、実験を実施した。あらかじめ実験参加者の期待感の個人差を測定し、実験では文章を読ませることで次に見る広告メッセージによる感情の予期を操作した。本研究結果は現在分析中である。
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Research Products
(5 results)