2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会的認知における感情と認知的処理方略の相互作用モデルの構成へ向けた実験的研究
Project/Area Number |
18530494
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
北村 英哉 Toyo University, 社会学部, 教授 (70234284)
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Keywords | 感情 / 社会的認知 / 情報処理方略 / ストップ・ルール |
Research Abstract |
感情と情報処理方略の相互作用を検討するために、作業遂行中どのような感情によって、作業が継続、終了され、また、作業の進展に伴いどのように感情が変化するかを実験で検討することにした。 昨年度、感情反応と生理的反応(皮膚電気反応)によって、ステレオタイプ処理の感情への効果を検討したが、その成果を19年9月に開催された日本社会心理学会第48回大会にて発表した。APAでの発表は研究代表者の個人的事情(災害)によって、アメリカに渡航することができなかったので、海外での発表は、20年度における国際心理学会議に持ち越すこととした。19年度は、秋までに第2実験に向けた文献的検討と予備調査を行い準備した。ポジティブ気分群、ネガティブ気分群を形成するために、まず感情喚起用の画像を探索して準備し、画像のポジティブさ、喚起度などについて予備調査を実施し、画像を選定した。実験では、いかに作業を継続、終了するかのストップ・ルールと感情状態との絡まり合いを検討する計画を立てた。12月以降から実験を開始し、「作業をよいと思ったところで終了する」time to stop条件、「楽しい限り作業を継続する」enjoy条件、「気分が変化したところで終了する」mood change条件の3種類のストップ・ルールを設け、ポジティブな気分になる群とネガティブな気分になる群を設けた。各気分群とも3種類のストップ・ルールに配置された。データは現在まだ実験継続中であるが、途中経過の分析としては、time to stop条件、enjoy条件においては、想定した通りの交互作用傾向を示す方向にあるが、データ数が十分でないので、統計的に有意な結果には至っていない。 感情の理論的検討の成果は、19年度発刊の東洋大学社会学部紀要に発表された。
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