2008 Fiscal Year Annual Research Report
患者およびその関係者が納得できる医療福祉場面における説明方法に関する研究
Project/Area Number |
18530499
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
高尾 堅司 Kawasaki University of Medical Welfare, 医療福祉学部, 助教 (00412263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金光 義弘 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (80110568)
水子 学 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (50341160)
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Keywords | 説明と同意 / 社会心理学 / 言語的コミュニケーション / 非言語的コミュニケーション / 医療従事者 / 患者 |
Research Abstract |
今年度は、医療従事者(医師および看護師)と患者を調査対象とした質問紙調査を実施した。調査対象者に対して,「患者(もしくは患者家族)にとって納得できる医療を実現するうえで何が重要か」という設問に対し,「医療従事者が患者(患者家族)に説明する時の口調に注意すること」,「時間をかけて医療従事者が患者(患者家族)の意見に耳を傾けること」,「医療従事者が患者(患者家族)の意見を聞く際の態度に気を付けること」,「できるだけ多くの情報を医療従事者が患者(患者家族)に提供すること」,「医療従事者が患者(患者家族)に説明する際にわかりやすいように工夫すること」の計5項目の重要性について評価を求めた。統計的解析を行ったところ,「口調」,「傾聴」,「態度」に対する重要度の知覚は医療従事者に比して患者側の方が低かった。「多くの情報提供」については,医療従事者に比して患者(患者家族)の方が重要であると知覚していた。以上の結果は,医療従事者は患者(患者家族)に比して非言語的コミュニケーション要因を重視しているが,患者(患者家族)は言語的コミュニケーション要因を重視していることを示唆している。一方,別の項目群に対する分析の結果,医療従事者に比して患者(患者家族)は「医療従事者は治療過程において常に患者に手の内を明かすべきだ」と考えていることが確認された。つまり,患者(患者家族)は医療従事者側に情報の開示を強く求めているが,医療従事者側は患者側との一定の距離を保つことに留意していることが考えられる。以上の分析結果から,患者(患者家族)は医療従事者に比して言語的コミュニケーションを重視しているが,医療従事者側は患者(患者家族)よりも非言語的コミュニケーションを重視していること,さらに患者(患者家族)は医療従事者側からの情報開示を強く求めていることが分かる。
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Research Products
(2 results)