2006 Fiscal Year Annual Research Report
就学前教育現場を軸とした子育て・親育て・コミュニティ育て支援実践システムの構築
Project/Area Number |
18530503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
當眞 千賀子 茨城大学, 人文学部, 助教授 (60311148)
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Keywords | 発達 / 児童虐待防止 / 少子化 / 社会文化的実践 / 就学前教育 / コミュニティ / 子育て支援 / 形成的フィールドワーク |
Research Abstract |
【A】「コミュニティで子どもを育てる」実践のイメージが描けるような資料集の作成 (1)世界のさまざまな地域社会における「コミュニティによる子育て・親育て」の実践を記録したエスノグラフィックな文献や歴史的文献の調査を進めた。(2)日本のコミュニティによる子育て実践について調査した。(1)、(2)をベースとして、「孤育て」や「虐待」を含めた日本の子育ての現状が抱える課題を整理し、大人と子どもが育みあう実践形成の方向を考える内容の講演を保護者向けに行い、記述式のアンケートを行った結果、「自分が困っていたのはなぜかよくわかった」、「励まされた」、「もっと早く講演を聴いていたらもう一人産んでいた」など手ごたえのある回答が多数得られたので、これらの内容を織り込んだ資料集め製作を進めている。 【B】就学前教育現場を軸とした「形成的フィールドワーク」による子育て・親育て・コミュニティ育て支援実践システムモデルの構築及び実践形成過程の探求 タイプの異なる2つの就学前教育現場(公立保育所,保護者と保育者による共同野外保育)を主なフィールドとして次のような研究を行った。(1)個々の親が抱えている課題やニーズ、発達観、子ども観について保護者や保育者との対話的インタビューやアンケート調査により具体的で厚みのある把握を進めた。(2)就学前教育現場のスタッフと協働し、子どもたちの発達的課題を把握しながら発達支援的実践を試み、その過程を記録した。(1)と(2)及び上記の【A】をベースとして(3)就学前教育現場を軸とした子育て・親育て・コミュニティ育て支援実践システムモデルの素案づくりを行った。来年度はさらに(1)と(2)を重ねつつ、モデルを見直したり手を加えたりした上で実践してみるというサイクルを回していきながら、実践システムを構築していく予定である。また、このような実践形成過程全体の記録を用いて、どのようにして実践が形成されていくのかを明らかにしていく。
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