2006 Fiscal Year Annual Research Report
学校心理学の基礎理論の再構築-寄せ集めでない我が国独自の体系はつくれるのか?-
Project/Area Number |
18530505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鎌原 雅彦 千葉大学, 教育学部, 教授 (90169805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蘭 千壽 千葉大学, 教育学部, 教授 (90127960)
中澤 潤 千葉大学, 教育学部, 教授 (40127676)
大芦 治 千葉大学, 教育学部, 助教授 (30289235)
岩田 美保 千葉大学, 教育学部, 助教授 (00334160)
三浦 香苗 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (20012560)
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Keywords | 学校心理学 / 学校心理士 / 現職教員 |
Research Abstract |
近年の学校心理学への関心の高まりの中で、改めて心理学の一分野としての学校心理学(とくに理論的な基礎づけのあり方)を問い直すことを目的として、現職教員及び学校心理士が、教育心理学、発達心理学、臨床心理学等を含めた広義の学校心理学に関してどのような知識を持ち、その知識に意義を感じるのか、またどのような方法でこうした知識を習得しているか、さらに心理学に対してどのようなニーズがあるかについて予備的な調査を実施した。「学校心理学ガイドブック」を参考に、学校心理学に関わる用語を選択し、それをどの程度知っているか、またどの程度役に立ったかについて、評定を求めたところ、全体としてみると臨床心理学領域の用語の理解度が高く、障害児、発達心理学領域の用語がそれにつぐが、教育心理学領域の用語は相対的に理解度が低い傾向がみられた。有用度では、特に障害児関連の用語が高く評価されていた。職種を問わず、「児童・生徒の適応上の諸問題」が最も切実な問題として捉えられていたが、「学習上の諸問題」「クラス集団の諸問題」は一般教員にとって、また「教師の諸問題」が学校心理士にとって、相対的により重要な問題と捉えられていた。特に知りたい項目の選択パターンをもとに個人を分類した結果、3つのクラスタに分類された。第1クラスタは、(1)発達障害とその対応,(7)心理検査・査定法,(9)精神病・神経症などの心の病気に関する知識などを、第2クラスタは、(1)発達障害とその対応,(2)学習と記憶のしくみ,(3)動機づけ(意欲)のメカニズム、(4)学級集団の心理、(5)認知や思考の発達、(8)さまざまな心理療法、(11)教育評価などを、第3クラスタは(3)動機づけ(意欲)のメカニズム、(6)人格や社会性の発達、(7)心理検査・査定法、(9)精神病・神経症などの心の病気に関する知識、(10)ストレスやそれにかかわる心理的問題、などをそれぞれ多く選択する傾向があった。また、教員、学校心理士は第2クラスタに養護教諭は第3クラスタに属するものが多い傾向が伺えた。
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Research Products
(4 results)