Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蘭 千尋 千葉大学, 教育学部, 教授 (90127960)
中澤 潤 千葉大学, 教育学部, 教授 (40127676)
大芦 治 千葉大学, 教育学部, 准教授 (30289235)
岩田 美保 千葉大学, 教育学部, 准教授 (00334160)
三浦 香苗 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (20012560)
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Research Abstract |
近年の学校心理学への関心の高まりの中で,改めて心理学の一分野としての学校心理学(とくに理論的な基礎づけのあり方)を問い直すことを目的として,18年度調査に引き続き,19年度は,現職教員が現在の勤務校において直面している児童,生徒の適応上および学習指導・学級経営・教員自身に関する問題のうち,特に教育心理学等の専門的な支援が必要と考えられる問題がどのようなものかについて検討した。その結果,児童・生徒については,問題行動やいじめ・不登校への対応(43%),発達障害を持つ児童,生徒への対応(37%)親・家庭環境に関わること(27%),その他教師自身の問題が50%(教師のストレス,教員間の人間関係),学習指導上の問題(39%)などであった。さらに,学校心理学を提供する側としての大学教員が,学校心理学をどうとらえているかをあきらかにするため,学校心理士資格を有する大学教員を対象として行った学校心理学に関する調査研究を行った。対象者のクラスター分析を行い,4つのクラスターを得た。もっとも規模の大きいクラスター(51名)では,先のニーズに対応して発達障害とその対応を重視しているが,同時に学級集団,動機づけやパーソナリティ面の発達を重視し,精神医学的知識や心理療法は,学校心理学としては重要視していなかった。その他,臨床的問題を重視し,学習・認知を相対的に軽視しているグループ(23名),逆に学習・認知・評価の重視,臨床関連テーマの軽視によって特徴づけられるグループ(28名),特に臨床的問題を重視しないグループ(27名)が見出された。現場のニーズを意識しながら,より学習,認知,動機づけ,社会心理などを重視する傾向をみてとることができた。
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