2007 Fiscal Year Annual Research Report
中年期のアイデンティティ危機様態の発達臨床的理解と援助に関する研究
Project/Area Number |
18530518
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 祐子 Hiroshima University, 大学院・ 教育学研究科, 教授 (90213991)
|
Keywords | アイデンティティ / 中年期危機 / 発達的理解 / 臨床的援助 / ボスト子育て期 |
Research Abstract |
<研究1> ポスト子育て期の母親のアイデンティティ再体制化のプロセスを実証的に検討した。研究1-1では、質問紙調査によって、子どもの巣立ち期・最中・巣立ち後の各時期におけるアイデンティティ変容の特徴を数量的に分析した。研究1-2では、半構造化面接調査を行い、子どもの巣立ちにともなう母親のアイデンティティ変容プロセスを、質的に検討した。その結果、(1)空虚感・無力感にはかなりの個人差が見られ、現代の母親は、子どもの巣立ちを必ずしも否定的に受け止めてはいないこと、(2)子どもの「成長」とともに「巣立ち」を母親自身が認識することが、アイデンティティ変容に影響を及ぼし、巣立ちの進行と並行して、母親自身の生き方・あり方の問い直しと模索が進んでいくプロセスが明らかになった。本研究により、これまで「空の巣症候群」など、否定的にみなされてきたポスト子育て期の心理とは異なる、現代の母親の心理的特徴が示唆された。 <研究2> 研究代表者が臨床心理士として関わった10事例の心理面接過程の記録をもとに、C1.の成長期の自我形成と中年期危機の現れ方の関連性を分析した(平成20年度も継続)。
|
Research Products
(4 results)