2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530522
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡本 真彦 大阪府立大学, 人間社会学部, 助教授 (40254445)
|
Keywords | 教育系心理学 / 教育学 / 授業実践 |
Research Abstract |
本研究の目的は,小学校における考える力を育てるための算数授業モデルを開発することである。考える力とは,事象に対して数学的な見方ができるということを指している。 特に本年度は,高学年を対象とした授業プログラムの開発を目的として行われた。 まず,最初に,考える力を育てるための授業モデルにっいて検討した結果,岡本・西森・加藤・三宮(2005)が提唱する,単元の学習内容が終了した後,その単元で学習した数学的概念や技能の意味を考えるような学習活動を加えるという授業モデルを用いることにした。その後,どの単元を対象とした実践研究を行うのかについて検討を行った結果,体積と割合の2つの単元が考える力を育てるために有効であろうと考えるに至った。そこで,平成19年3月に,2つの小学校において,体積単元を対象とした実践研究を行った。どちらの実践研究も体積の公式の意味を捉え直すことを目的として行われた。一方の実践では,体積を底面積の重ね合わせとして捉え直すことできるように,液体を異なる底面積を持つ容器に入れ替えるという課題を子どもたちに与えた。また,もう一方の実践では,体積を1立方センチメートルの立体の組み合わせとして捉え直すことできるように,立体を1立方センチメートルの立体に分解するという課題を子どもたちに与えた。 授業中の子どもたちの学習活動の様子からは,本研究で考案した課題が子どもたちの面積の公式に対する理解を深めていることを推察させるような発言も多く見られたが,授業の最後に行った問題解決テストの解答からは,既習の固定した問題解決が多く見られ,柔軟に思考するカが育っているとはいえなかった。
|