2006 Fiscal Year Annual Research Report
心臓疾患における自律訓練法を用いた心理学的介入の治療効果の検討
Project/Area Number |
18530531
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉江 征 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (70222049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 正博 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (00114075)
久賀 圭祐 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (60241816)
松井 めぐみ 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助手 (60400652)
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Keywords | 自律訓練法 / 自律神経機能 / 心臓疾患 / 練習効果 |
Research Abstract |
自律訓練法によってもたらされる生理的な変化の特徴として,これまで一般的には交感神経優位な状態から副交感神経優位な状態へと変換するといわれてきていたが,実証的な自律神経機能の評価研究は少ない。本研究は,近年新しく開発された自律神経機能指標を用いて、自律訓練法の自律神経機能への治療効果を基礎的、臨床的に検討することを目的としている。研究1では,健常者を対象とした自律訓練法練習中の自律神経機能の評価を検討している。自律訓練法の個々の練習中の自律神経機能の変化を査定しながら、短期的、長期的変化の様相を検討している。また,訓練の前後ではホルター心電計を用いた日常生活の中での評価も行っている。現在,被験者によっては練習初期の特徴として,回数を重ねた場合の方がローレンツ・プロットは広がる傾向や,交感神経系と副交感神経系の機能指標は練習間でバラつく傾向も伺えた。続けて被験者数を増やしながら検討していく予定である。研究2では,心臓疾患患者おける自律神経機能からの自律訓練法の治療効果の検討を行っている。心臓疾患の患者として現在は不整脈の患者を中心に実施している。患者によっては,練習行うことによってすぐに眠れるようになり,心理的にも心地よさを体験しながら生活の中に自律訓練法を取り入れ,不整脈も減ったという報告もあるが,不整脈の減少については他の要因も考えられるため,自律訓練法そのものの効果かどうかはまだ判別しがたい。ローレンツ・プロットも,健常者に比べて散らばりが少なくなかなか変動しない傾向も伺える。病院の外来で実施しているため,訓練の指導間隔が1ヶ月に1回ということも多く,日々の練習を維持していくための動機付けなども重要であった。今後も症例を増やしながら検討を続けていく予定である。
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