2008 Fiscal Year Annual Research Report
感情能力に焦点をあてた健康行動促進のためのプログラムの開発
Project/Area Number |
18530532
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大森 美香 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (50312806)
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Keywords | 感情能力 / ヘルスリスク行動 / 健康促進行動 / ストレス反応 |
Research Abstract |
近年、情動知能(Emotional Intelligence,以下EI)が、ヘルスリスク行動など自己制御行動と関連するとされ、感情能力に基づく行動変容のプログラム開発が期待されている。本研究の目的は、以下の2つである。(1)自己や他者の感情を認識し調整する能力が、ヘルスリスク行動や健康促進行動にどのように影響するのかを明らかにすること、(2)従来の健康関連行動を説明する理論で部分的にとりあげられた感情と行動の関連を明らかにすること。平成20年度は、1)感情能力測定尺度の洗練のための調査、2)感情能力とストレス反応に関する研究の成果発表、3)ストレス反応のメカニズムに関する調査研究、4)健康促進行動プログラムの効果に関する先行研究のレビューを行った。詳細は次のとおりである。 1)研究協力者のEIリサーチのグループの協力を得ながら、感情能力の測定尺度を開発に着手した。Meyer & SaloveyらのEI理論に基づきEIリサーチが開発した尺度(Emotional & Social Behavior Index:ESBI)の妥当性検討のためのデータ収集を行った。社会人を対象としたため、データ収集が予定どおりに進まず(平成20年度末で90名であり予定の約1/3のデータ収集が終了)、分析は次年度に持ち越しとなっている。2)感情能力とストレス過程に関する研究成果を、XXIX International Congress of Psychologyにおいて発表した。3)ストレス反応によるネガティブ感情が、健康行動を阻害するとの先行研究をふまえ、職業ストレスと組織行動の関連を明らかにする調査研究を行った。公的研究機関の職員534名を対象に調査を実施した。現在、成果発表の準備を行っている。
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