2007 Fiscal Year Annual Research Report
片口法ロールシャッハ・テストにおける陰影反応基礎データの作成
Project/Area Number |
18530545
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
大貫 敬一 Tokyo Keizai University, 経済学部, 教授 (40146527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼 初枝 立正大学, 心理学部, 准教授 (70409564)
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Keywords | ロールシャッハ・テスト / 片口法 / 陰影反応 |
Research Abstract |
Hermann Rorschachは陰影反応の存在とその意味に気づきながらも、その位置づけをするまでには至らなかった。その後、Klopfer, et. al.(1954)やBeck, et. al.(1961)、Piotrowski(1957)、近年ではExner(1986)などの代表的研究者がそれぞれ陰影反応の分類や解釈を位置づけた。しかし、統合失調症群や気分障害群などの臨床群の陰影反応の特徴を明らかにするにあたっては、分類の不一致や解釈仮説の相違の他に、陰影反応の基礎データが得られていないことも妨げになっている。 大貫(2007)では、片口安史が1956年に出版した最初の著作から1987年の最後の著作に至るまでに、陰影反応の分類の問題をどのように解決したか、あるいは解決しえなかったか、4つの著作をたどりながら検討した。その上で、現行の片口法の陰影反応カテゴリーの問題点をまとめた。 大貫・沼・佐藤(2007)では、非患者成人群を対象に、基本的な陰影反応の分類枠を設定し出現率を求め、図版と領域によって特有な陰影反応が生じることを示した。また、Performance と Inquiryにおける陰影反応の言語化の仕方から、(1)知覚像、(2)刺激特性、(3)感覚・情緒の3つの要素によるカテゴリー分類をする方法によって、非患者成人の場合には、知覚像が明確であり陰影刺激の説明も適切であるが、接触感覚や展望・拡散感覚は必ずしも表現されないことを明らかにした。
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