2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530579
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki Junshin Catholic University |
Principal Investigator |
中田 隆行 長崎純心大学, 人文学部, 助教授 (00281155)
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Keywords | 人工内耳 / 音楽 / パラ言語 / ピッチ知覚 / ピッチ産出 / リズム知覚 / リズム産出 / 実験心理学 |
Research Abstract |
人工内耳を装用する子どものパラ言語で表現された感情の認識とパラ言語の産出について、長崎ベルヒアリングセンターに通院する、長崎とその他の九州/山口地区に居住する6-12歳の人工内耳を装用する先天性難聴児(有効回答13名)を対象に次のような研究を行った。 1. 4つの短い中立文(例:電気をつけます)が3つの異なる感情(うれしい、悲しい、怒り)で表現されている刺激音をランダムな順に聴取させ、タッチパネル付きノートパソコンのモニターに表示された表情のイラスト絵の中からモニターを直接タッチすることによって感情を判別するように求めた。成人にとって人工内耳装用児の補聴器併用はピッチ知覚に有意に働くとの先行研究研究をもとに補聴器使用状況も記録した。結果から人工内耳装用児はうれしい、悲しい感情を表現したパラ言語の判別ではチャンスレベルを超える良い成績を示したが、怒りの感情を表現したパラ言語はうれしい、悲しい感情を表現したパラ言語よりも判別がより困難であり、怒りの表現の判別率はチャンスレベルを超えないことが明らかになった。 2.成人女性による4種類のパラ言語表現(例:徐々に基本周波数が高くなる「えー」、始まりの基本周波数が高く、その後下がった後に上昇する「あーあ」など)の声の録音を聞かせた後、同じように発声するように求め声の録音を行った。録音した声がうまくモデルの声をまねることができている程度については大学生に15名が評定した。 これらの2つの研究から得られたパラ言語知覚とパラ言語生成の間の関係について検証した結果、パラ言語の感情判別の正答率が2/3以上の5名は2/3を下回る8名よりもパラ言語表現の得点がより高いことが明らかになりパラ言語の正確な産出には正確なパラ言語知覚が必要であることを示唆する知見が得られた。
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Research Products
(3 results)