2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530579
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
中田 隆行 Future University-Hakodate, システム情報科学部, 准教授 (00281155)
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Keywords | 人工内耳 / 音楽知覚 / 音楽表出 / パラ言語知覚 / パラ言語表出 |
Research Abstract |
ことばの抑揚でうれしい、悲しい、そして怒りの感情を表現している声を聞いて、話し手の気持ちを同定する能力について5-12歳児を対象に検証した研究では、健聴児(n=22,正答率=97%)も人工内耳装用児(n=24,正答率=57%)も話し手の気持ちをチャンスレベルよりも有意に高い正答率で判断できることが明らかになった。また健聴児は入工内耳装用児よりも優位に高い正答率を示した。 抑揚表出能力について検証するために健聴児と人工内耳装用児が抑揚豊かなモデルの短い発話を聞いた後に表出した声を録音し、大学生による評定値を検証した結果、次の知見が得られた。1.健聴児の抑揚表出得点は年齢とともに向上する。9-10歳の子どもはそれ以下の年齢の子どもよりもうまく表現できているということから、人工内耳の装用を始めてから少なくとも10年間は抑揚の表現が向上し続けることが示唆される。2.人工内耳を装用する子どもたちの抑揚表現は全体的には健全聴覚の子どもよりも低い。特に、7-8歳と9-10歳では健全聴覚の子どもは人工内耳の子どもよりもより上手に抑揚の表現ができていたことが明らかになった。しかしながら、5-6歳では人工内耳を装用する子どもたち(3人)と健全聴覚の子どもたち(22人)の間には有意な差が確認されなかった。またすべての年齢の人工内耳装用児を対象に5-6歳の健聴の子どもと比較すると、5-6歳児の健聴の子どもと同程度によく表現できている子どもも15%程度存在することが明らかになった。
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Research Products
(3 results)