2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530581
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安達 真由美 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 准教授 (30301823)
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Keywords | 乳児発達 / 音楽環境 / 運動発達 / 家庭環境 |
Research Abstract |
本研究の3つの目的、(a)胎児・乳児を取り巻く音・音楽の実態調査、(b)家庭の音楽環境の違いが乳児の音楽に対する情緒/動作/発声・発語反応に影響を与えるかどうかの検討、(c)胎児期・乳児期の音楽の効用についての提言のうち、今年度は主に(a)、(b)について検討し、一定の成果を得た。 まず、胎児期〜生後3ケ月までの家庭の音楽環境の特徴として、「母親自身の音楽的関与」「両親それぞれの音楽演奏」「対乳児歌唱」の3つの因子が明らかになった。参加児の家庭(N=29、平成20年3月末日現在)における音楽環境を、これらの因子についてスコアリングし、「よりリッチな音楽環境にある家庭」(n=13)と「標準的な音楽環境にある家庭」(n=16)に群分けした。この群分けに基づき、1才までの33の運動機能の発達データをpermutation testで検討したところ、姿勢維持(2項目)、姿勢変化(4項目)、移動(2項目)において、家庭の音楽環境がよりリッチな家庭の子どもの方が、標準的な家庭の子どもよりも、発達が早いことが確認されたが、操作(微細運動)についての差は見られなかった。一方、生後3ケ月から、こちらで用意したわらべ歌のCDと、それを用いた音楽遊びのパンフレットを渡した「音楽的相互行為」群と、そのような介入を受けなかった統制群との間には、運動機能の発達に差は見られなかった。今後は、これらの運動機能の発達の早さと、フィールド実験で行なっている「音楽の有無における身体の動きの様子」との関連についても検討していく。また、来年度以降、実験的な介入を受けない「自然的音楽環境」と、実験的介入によって作り出された「人工的音楽環境」それぞれの効果について、9ケ月以降の運動機能の発達について検討して行くとともに、言語発達、情緒発達においても検討をしていく。
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Research Products
(2 results)