2007 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツにおける大学改革支援団体による高等教育改革推進メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
18530600
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 勉 Kyoto University, 教育学研究科, 准教授 (40263743)
|
Keywords | 大学 / 高等教育 / ドイツ / CHE / HIS / 大学改革 / HRK / BMBF |
Research Abstract |
本研究では、ドイツの大学改革推進団体の中で、高等教育研究開発センター(CHE)及び高等教育情報提供機構(HIS)に注目している。平成19年度は、前者に重点をおいて、文献研究及び訪問調査を実行した。CHEは、ドイツ学長会議に関係する機関であるが、組織は有限会社である。研究開発機関を有限会社の形態で設置する理由は、設立手続きが簡易だからである。CHEは1994年に設立されたのであるが、2001年に相談指導部門をCHE Consultとして独立させた。CHEの本体は非営利有限会社(gGmbH)であるが、CHE Consultは普通の有限会社(GmbH)となっている。事実上、ドイツ学長会議は、CHEの事業内容に対して直接的には関与しない。むしろ、ベルテルスマン財団との関係は密接であり、それゆえCHEは財団と同じく小都市ギュータースローに立地する。CHE及びCHE Consultは、共に(1)大学の自治、(2)学術性の向上、(3)大学の個性化、(4)大学間の競争、(5)経済上の効率化、(6)大学教育の国際化、(7)バーチャル・ユニバーシティの普及に関連する調査・研究・開発に取り組んでいるのであるが、両者には組織の形態に相応する分担がある。一方、HISが事実関係の情報収集・分析・公表であるのに対して、CHEの事業はNPMを指向する調査研究・普及活動に重点を置く。また、HISが研究部門で構成する幾分固定的な組織であるの対して、CHEの組織はプロジェクト・チーム(研究スタッフ2人以上で成立する)で構成するフラットな組織となっているところに特徴がある。CHEと提携大学等との協力関係は、研究スタッフの個人的なつながりに依存する。CHEによる事業に見られる個別性により、大学改革支援が機動的になっている事実が判明したことは、支援体制のあり方を考察する上で意義深い。
|
Research Products
(1 results)