2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
服部 憲児 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (10274135)
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Keywords | 教員養成 / 現職教育 / フランス |
Research Abstract |
本研究は、教員の大量退職時代の到来と教育条件の悪化という文脈の中で、現職教員の力量形成がきわめて重要な意義を持ってくるという認識から、その先進的事例として、教員養成機関(IUFM)と教育行政(大学区)が連携して教員の現職教育を実施しているフランスの教員研修を分析・検討するものである。平成18年度は、フランスにおける教員の現職教育について、(1)その基礎的事項の整理および(2)その実情の把握を中心に研究を行った。 (1)基礎的事項については、先行研究等も参照しながら、(1)教員の現職教育が1990年代に教育行政(大学区MAFPEN)による実施から教員養成機関(IUFM)による実施に変更になったこと、(2)教員の現職教育に関する事柄が法令においていかに規定されているかを整理した。(2)教員の現職教育の実情把握については、主として(1)基礎資料の収集と(2)現地インタビュー調査(教育行政担当者、IUFM教員・事務官、現職教員)を行った。フランスの教員研修(現職教育)は、国の優先事項を考慮して大学区が研修計画を作成し、それに基づいてIUFMが講師を選定して実施することになっているが、その課程では大学区とIUFMの担当者およびその他の関係者の打ち合わせ会議等が複数回実施され、連絡調整と意思疎通が図られている。研修内容はきわめて多岐にわたっているが、教科の知識に関するものが非常に充実している。この傾向は中等教育で特に強くなっている。法令上も教員の意識の上でも研修は義務ではなく権利となっている。研修に対する教員の取組方は分化する傾向にあり、全く受けない教員が存在する一方で、積極的な教員は教育活動の実施や自己研鑽に必要であるとして毎年受講している。
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Research Products
(1 results)