2008 Fiscal Year Annual Research Report
教員養成カリキュラムにおける「いのち」の教育-教育内容の構造化と教授法の検討-
Project/Area Number |
18530604
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
鈴木 真由子 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 准教授 (60241197)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 正子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50379319)
|
Keywords | 教員養成 / 大学 / 教師教育 / カリキュラム / 「いのち」の教育 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度までに実施した国内外の文献調査、先行的に実践した大学院および学部における「いのち」にかかわる授業とその評価分析を踏まえ、継続した調査活動および授業実践を行った。 調査活動としては、終末期医療にたずさわっている医療者、および中学校教育現場において「いのち」の教育を実践してきた教育者を対象としたインタビューを実施した。その結果、医療者の視点として受容的態度でのカウンセリングが重要であること、その際、共感的コミュニケーションが求められることが明らかとなった。これらは、教育現場においても重視されるべきものであった。 また、国際会議に参加して、情報収集・意見交換を実施した。国際的にも、子ども虐待など子どもの「いのち」が蔑ろにされる状況は大きな社会問題となっていた。そうした問題は、家庭内での解決が困難であること、学校が関与できる部分には限界があり、体外的ネットワークが不可欠であること、それらの整備は国や地域による違いが大きいことなどが確認できた。さらに「いのち」について学ぶ機会は、欧米ではすでに一般化されている部分もあるが、アジア圏では教育への位置づけは途上にあり今後の課題として認識されていた。 授業は、昨年度までの成果に基づいてシラバスを考案し、学部と大学院で行った。学部の授業においては「いのち」の授業を計5回(各90分)実践し、学生からの評価を得た。そのうちの2回については、学外から専門家をゲスト講師として招聘した授業とし、これをFDの一環として公開講座として位置づけた。授業後、受講生(約50名)にアンケートをとり、教員養成カリキュラムにおける「いのち」の教育のあり方について回答を求めた。大学院の授業においては“子ども虐待"に焦点化した「いのち」の教育を展開し、教員を目指す学生にとって、求められる視点について意見交換した。
|
Research Products
(6 results)