2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会教育・啓発分野における人権教育のプログラム化に関する研究
Project/Area Number |
18530606
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
生田 周二 Nara University of Education, 教育学部, 教授 (00212746)
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Keywords | 人権教育 / シティズンシップ / エンパワメント / 民主主義 / 参加 |
Research Abstract |
本年度は、(1)人権教育分野における成人教育としての教師教育のあり方、(2)国連、ヨーロッパにおける民主的シティズンシップ教育(EDC)、人権教育(HRE)、持続発展教育(ESD)と教師教育への期待の二点について、調査及び検討を行った。 (1)2007年度総合演習(学校・地域と人権教育)を「人権と教育に関する教員養成プログラム分析研究」の一環として実施した。目的は、「子どもたち自身が、自分を見つめ、仲間との関係づくりを考え、安心・安全な学校空間のために何ができるかを考えあう」プログラムを受講学生が作成することである。目標は、1.権利と自由、他者との協同、責任のあり方について考えを深める。2.子どもたちの存在や問題を踏まえるため、授業や休み時間の様子について見取りと観察をし、担任と意見交換を行う。3.グループで役割分担しながら、人権教育プログラムの作成を行い、実際に担当クラスでワークショップを実施する。4.プログラムを実施した結果について子どもたちの評価、個人評価、担任からの評価などを踏まえ、考えをレポートにまとめる。スタッフとして、子どもの権利に関わるNPO関係者が関わり、参加体験型学習の実践を踏まえた講義・演習、プログラム作成支援を担当した。受講者が、認識を深めるとともに、より主体的・実践的に学習を展開するプロセスについて分析する素材を得た。来年度につなげていきたい。 (2)EDC、HRE、ESDの関連性について検討を行うため、資料収集を行うとともに、ユネスコ、欧州評議会、ドイツ人権研究所を訪問し、学校や地域を民主的な文化的空間にするうえでの概念整理にとりかかった。また、これらの教育を展開する教育者の養成・研修のあり方についての検討を(1)と関連づけながら展開した。
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