2006 Fiscal Year Annual Research Report
ソ連崩壊後のロシア社会における少子化の進展と子育ての実態に関する調査・研究
Project/Area Number |
18530617
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
村知 稔三 青山学院女子短期大学, こども学科, 教授 (00190926)
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Keywords | 保育 / 人口 / 家族 / 親子関係 / ロシア |
Research Abstract |
2か年計画の初年度にあたる2006年度は主に、(1)本研究課題の背景となる歴史的経緯を整理するとともに、(2)少子化の進展と子育ての実態に関する調査の設計と打ち合わせにとりくんだ。 具体的には、(1)との関連で、『ロシア革命と保育の公共性--どの子にも無料の公的保育を--』(九州大学出版会、2007年2月、全337ページ)と「1920年代初頭のロシアにおける飢饉と乳幼児の生存・養育環境」『青山学院女子短期大学紀要』第60輯(2006年12月)177〜199ページを著した。このうち拙著では「保育史研究と歴史人口学の対話」を重視し、19世紀後半〜20世紀前半のロシア社会における人口動態を分析し、20世紀初め以降の多産多死社会から多産少死社会への転換がロシアの子育てのあり方に与えた影響を、都市と農村に分けて、明らかにした。また、課題の考察に必要な基礎的な保育統計や人口統計を日本とロシアの図書館などで収集した。 (2)については、モスクワ、サンクトペテルブルク、ヴャートカの各市の国立教育大学や国家統計委員会の研究者らとの電子メールやファックスなどによる事前の交渉にもとついて、2007年夏に実施予定の上記調査に関する計画を立案した。そのうえで2〜3月にモスクワ、ペテルブルク両市を訪ね、関係者と直接に面談し、調査の実施にともなって予想される諸々の問題点について協議した。その結果、本調査は2007年9月前半に上記の3市で実施することになった。
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