1930年代の教育政策史研究再考 --国民統合・動員と教育の関係史に注目して

2006 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18530627
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Nihon University
• Principal Investigator: 小野 雅章 日本大学, 文理学部, 教授 (70224277)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 冨士原 雅弘 日本大学, 文理学部, 助手 (30339238)
• Keywords: 日本史 / 日本教育史 / 教育学 / 史料調査・研究

Research Abstract

本年度は、本研究課題推進の初年度ということで、先行研究の検討および史料の調査・収集を中心に研究を進めた。まず、先行研究の検討については、国立国会図書館、国立教育政策研究所附属図書館等の蔵書目録などにより、主要先行研究を抽出し入手可能なものについては購入、入手困難なものについては複写等により収集した。そのうえで、関係史料の収集にあたり、随時史料整理を行ない、史料整理終了分についてはデータベース化も進めた。概要は、上述の通りであるが、やや詳しく説明すれば、以下の通りである。
(1)1930年代の教育政策史関係で、とくに学校下付御真影の管理体制に関する文献、集団勤労作業に関する文献、青少年学徒ニ賜ハリタル勅語の下付と「奉体」に関する文献の収集とその検討。
(2)上述の内容に関する基礎史料の収集、及び整理。今年度は、宮城県公文書館、大阪府公文書館、大分県公文書館、宮崎県文書センター等で史料の収集整理を行なった。これらのうち、必要な分については、ハードコピー、あるいはデジタルカメラ撮影を行なっている。未整理の部分もあるが、整理を終えたものから閲覧希望者に対しては、日本大学文理学部教育学研究室で閲覧が可能な体制をとっている。
(3)研究代表者は、収集・整理した史料のなかから、本年度は1935年、すなわち天皇機関説事件とそれ以降に展開された国体明徴運動と学校下付御真影の管理体制の変容についての分析を行い、その成果を研究論文にし、現在投稿中である。
(4)研究分担者は、収集・整理した史料のなかから、本年度は、1930年代の中高等教育と国民動員に関する史料の分析にあたり、現在論文の作成中である。