2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530628
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
前田 一男 Rikkyo University, 文学部, 教授 (30192743)
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Keywords | 戦災孤児 / 浮浪児 / 学童疎開 / 児童福祉 / 戦後教育改革 |
Research Abstract |
(1)資料の分類・整理と筆耕 申請者の研究室に帰宅されている恵愛学園関係資料を整理,分類し,細目録を作成する基礎作業を,年間を通じて実施した。進捗状況は順調で,今年度の計画通り,寄託資料についてのほぼ全件について,目録カードへの登録が終了した。その際,特に戦災孤児に直接関係する資料については,「備考」覧にその旨の記載をするように心がけた。 それを受けて,基幹部分と思われる戦後直後の恵愛学園の日誌については,史実を確定していく上で重要と思われるので,必要な箇所の筆耕作業に入っている。 (2)資料調査3月に沖縄に資料調査に出張した。前年度に続いて,県立図書館などの資料調査となった。関係資料の調査・収集を実施したものの,沖縄での文書資料は限られており,今回は聞き取り調査の可能性について,渡嘉敷島での「集団自決」の生存者から情報提供を受けた。 戦後直後の状況把握のため,プランゲ文庫「雑誌」コレクションを対象に,キーワードとして「孤児」「浮浪児」「疎開」で検索しながら,丁寧な資料調査を実施した。先行研究においても活用されていない雑誌記事が発見されることも多く,当時のジャーナリズムがどのように「戦災孤児」を捉えようとしていたのか,その実態の報道も含めて,興味深い資料が集まりつつある。 また戦時中の空襲史との関連,傷痍軍人の戦後保障との関係も今後の研究課題になることから,都内の東京大空襲・戦災資料センター,しょうけい館(戦傷病者史料館)にも訪問し,関連資料の収集に努めた。
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