2006 Fiscal Year Annual Research Report
米国の市長主導の教育改革と市長部局による教育行政の包摂に関する調査実証研究
Project/Area Number |
18530637
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
小松 茂久 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (50205506)
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Keywords | アメリカ都市教育 / アメリカ教育統治 / 教育政治 / 教育財政 / 教育統治 / 教育行政 / 市長主導教育改革 / アカウンタビリティ |
Research Abstract |
平成18年度の前半は文献資料の収集と資料批判を重点的に実施した。資料の解読と並行して、平成18年8月に刊行された拙著『アメリカ都市教育政治の研究』の校正を行っていた。同書の参考文献にも含まれ、本文の論述にも生かされたのは、本研究費によって購入が可能となった回書である。同年度の後半は、シカゴが全米に先駆けて市長主導の教育改革を進めており、改革先進都市で学校改革の実態と課題を明らかにするために、Cross City Campaign forUrban School Reformをはじめとしたシカゴの市民団体を訪問し、資料収集と聞き取り調査を実施した。その際に重点を置いたのは、アメリカでは州が公教育責任主体であるが、歴史的に教育行政権限を学区に委譲しており、州と学区との権限関係、市長と教育委員会との権限関係であった。また、シカゴの1995年学校改革は学校運営に失敗した学校に対する是正(remediation)、指導・観察(probation)、抜本的改革(intervention)の政策を取り入れている。同時に、市長主導の教育改革のもう一つの特徴として、自動進級停止政策(no social promotion)もある。これらの制裁措置を伴う政策がいかなる効果を学校に対して及ぼしているのかを中心として資料を探索し、聞き取りを行った。これらの調査研究の一部は学術雑誌で発表するとともに、最終的には、平成19年度の末に発行予定の報告書で論証する。なお、平成19年1月のシカゴ訪問時には、帰国途中にデトロイトに立ち寄り、デトロイト郊外にあるミシガン大学の教育史家かと全米で著名なジェフリー・ミレル教授にもアメリカの都市教育改革動向についてインタビューをすることができた。
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