2008 Fiscal Year Annual Research Report
ドメスティックバイオレンス支援者支援プログラム:コミュニケーション学の視点から
Project/Area Number |
18530662
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
末田 清子 Aoyama Gakuin University, 国際政治経済学部, 教授 (70244829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猿橋 順子 玉川大学, 文学部, 非常勤講師 (10407695)
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Keywords | ドメスティックバイオレンス / 支援者支援 / 言語・非言語コミュニケーション / トライアンギュレーション / 教育プログラム開発 |
Research Abstract |
本研究では、対人支援者の支援コミュニケーションスキル向上に資する教材開発に取り組んだ。研究の始点はドメスティックバイオレンス(DV)サバイバー支援に限定していたが、DV支援は他のあらゆる社会福祉、医療、警察、司法、教育領域等と深い相互乗り入れ関係にある。さらに、支援者へのニーズ調査から、特定の支援領域に限定せずとも、コミュニケーション学が貢献できる領域が多々あることが明らかとなった。そこで、何らかの「傷つき」を経験した人に対する支援において、重要かつ体系的な学習機会が限られている非言語コミュニケーションに焦点を絞り、教材を開発した。 この成果は「対人支援者のためのハンドブック〜非言語コミュニケーションへの気づきを高める〜」(日本語・英語)に纏めた(発行は研究分担者、猿橋順子の所属する玉川大学への分担金を充てた)。本教材は、実際の支援と学習との結びつきを強めるねらいから、学習者各人の支援事例に基づいて考察を重ねるワークシート形式を採用した。知識学習と内省による学びのバランスが考慮されている。また、支援の現場では、人材不足や資金不足から、専門的な訓練を十分に受ける機会が限られている。そこで教材は、独習とグループワークの双方に使えるよう工夫した。さらに、増加傾向にありながら、孤立しがちな外国人支援者を考慮し、日本語版・英語版の二言語を作成した。外国人支援者の学びに資すると共に、同じ内容を共有することで、日本人支援者と外国人支援者の間の連携が促進されることが期待される。 教材は、ニーズ調査に協力してくださった支援者のネットワークにも頼りながら、官民、国境を問わず、広く支援者に無料頒布した。今後も継続して、コミュニケーション研究から対人支援現場への貢献可能性(内容)と方法を考え、実践していく必要があるが、本研究はその基盤となる重要な研究活動となった。
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Research Products
(3 results)