2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530664
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
樋田 大二郎 Aoyama Gakuin University, 文学部, 教授 (80181098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
耳塚 寛明 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 教授 (40143333)
大多和 直樹 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教 (60302600)
堀 健志 東京大学, 大学院・教育学研究科, 産学官連携研究員 (10361601)
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Keywords | 工業高校 / 進路形成 / 教育社会学 / カリキュラム / 国際比較 |
Research Abstract |
平成19年度は、全国の工業高校を対象に悉皆の質問紙調査を行った。また、特色のある実践をしている熊本県立工業高校2校と山形県立工業高校1校への訪問インタビュー調査を行った。さらに、2年間のまとめを行った。 研究の主な知見は次の通りである。工業高校卒業生の進路が変容している。大学工学部や専門学校への進学者の割合が増加した。工業部門への就職の内、技術系とマニュアル系という2分法がもはや意味を持たなくなり、設計、デザイン、システムオペレーターなどの新たなタイプの職種が増加している。工業高校と地域の関係では、インターンシップ、デュアルシステムなど工業高校は地域の産業による支援を必要とするとともに、卒業生の労働力の供給を通して地域の産業の集積・活性化に貢献することが求められる機会が増えた。シンガポールとの比較の観点からは、授業の卒業後の仕事に対するレリバンスにおいて、シンガポールでは即戦力性と実践性が求められる。シンガポールの職業高校は日本よりも企業との親密な連携を保ち、即戦力的な工業教育を心がけている。シンガポールの親密な連携の中には、企業関係者のカリキュラムボードへの参加、企業で使っている設備・機材と同じ設備・機材の学校への寄付などが含まれる。シンガポールとの比較の観点からは、日本では高校での教育が即戦力的であることはあまり強調されていない。日本ではどちらかというと訓練可能性が重視される。このとき、訓練可能性は、知識、技能である場合もあるが、工業局校が工業教育の中で強調していたのは、ものづくりへの関心・情熱、規律・態度などである。
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