2006 Fiscal Year Annual Research Report
メキシコの近代公教育形成過程における教育のジェンダー化
Project/Area Number |
18530665
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松久 玲子 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (40239075)
|
Keywords | メキシコ / 近代公教育 / ジェンダー / 女子教育 / 学校教育 / 人口政策 / フェミニズム |
Research Abstract |
メキシコにおける人口政策は、20世紀初頭の公教育形成期にも教育に影響をおよぼしているが、1970年の人口法の改正は、既存の政策を180度転換するものであり、それまでの学校教育の場での人口問題の扱いをジエンダーの視点から考える上でも重要なものと考え、1970年代から現代に至るメキシコの人口政策が教育にどのような影響をおよぼしたかを、学校教育カリキュラムとしての「人口教育]をジェンダーの視点から考察し、論文にまとめた。 また、メキシコの近代公教育における女子教育に関しては、2006年8月8日から17日まで、メキシコ国立図書館古文書館で資料収集を行い、20世紀初頭のフェミニズム雑誌La Mujer, La Mujer Mexicana, La Mujer Moderna,教育学雑誌El Progeso de Mexico, La Escuela Moderna.、La Revista Mexicana de Educacionのマイクロフィルムを入手し、ハードコピー化して資料の読み込みをおこなっている。その成果の一部は「メキシコ革命期の女子教育とジェンダー規範の形成〜母の日と1920年代女子教育をめぐって〜」にまとめ、投稿中である。さらに、1920年代および30年代の農村教育におけるジェンダー規範の形成を、当時のフェミニストであり教員であったエレナ・トレスに焦点を当て、その著作からフェミニストの側からのジェンダー観を中心に考察中である。 2006年度は、公教育が形成される過程で、1920年代に学校で「母の日」が祝われ、母親役割が称揚されるとともに、女子に対して階層化された教育内容が学校カリキュラムの中に定型化され、次第にジェンダー規範が学校教育において定式化したことを明らかにした。さらに1930年代に学校教育が農村に普及する過程で、農村において女性にどのようなジエンダー役割が規範化されたかを検証するため、フェミニスト教育家に焦点をあて、考察を開始している。
|
Research Products
(1 results)