2006 Fiscal Year Annual Research Report
音楽的技能の獲得における日常生活の音楽聴取行動と歌唱行動の特徴
Project/Area Number |
18530676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
水戸 博道 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (60219681)
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Keywords | 音楽 / 聴取行動 / ポピュラー音楽 / カラオケ / 音楽行動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、余暇活動として行われている日常生活の中の音楽活動が、音楽的技能の獲得にどのような役割をはたしているのかを実証的に明らかにすることである。音楽行動の調査は、その行動様式を社会的な枠組みの中で調べることを目的とし、音楽の聴取行動や歌唱行動が、(1)いつ(2)どこで(3)どのように(4)誰と(5)どのような目的で起こったのかを細密に調べ、行動様式のどのような特徴が音楽的技能の獲得に寄与しているのかを探る。音楽行動の調査は、経験サンプリング法(Experience Sampling Method)と日誌による行動報告の2つの方法を用いて行う。本年度は、音楽行動がきわめて豊かな若者に焦点をあてて調査を行うこととしたが、研究協力者であるD.ハーグリーブス教授のアドバイスに従い、まず、若者の音楽行動の特徴を先行研究から明らかにした。その結果、現代の若者の音楽行動の特徴は、(1)耳コピーによる新曲の学習(2)きわめて豊かな音楽環境への浸り(3)きわめて高い音楽的動機(4)幅広い音楽のジャンルへの興味の4点に集約することができた。以上のような点を実証的に明らかにするために、ハーグリーブス教授との相談の結果、経験サンプリング法を日本の調査に適合するための予備調査を行った。その結果、日本の若者の場合は、英国の若者にくらべて、多くの歌唱行動が見られることや、音楽聴取行動については、好むジャンルや聴き方にかなり個人差が見られることがわかった。この結果、経験サンプリングリグ法での調査は、被験者への行動報告を日に数回行う必要があることや、音楽行動の目的や動機の調査は、経験サンプリング法以外の方法が必要であることなどがわかった。予備調査の結果をもとに、調査方法を更に精査し、来年度は、さらに多人数の被験者に調査を行う予定である。
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