2008 Fiscal Year Annual Research Report
ADHD児の書字行動獲得を阻害する認知要因の行動的翻訳と個別式「e-支援」の関係
Project/Area Number |
18530680
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
鶴巻 正子 Fukushima University, 人間発達文化学類, 教授 (40272091)
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Keywords | 書字行動の獲得 / eラーニング / AD / HD |
Research Abstract |
注意欠陥/多動性障害(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder. 以下, ADHD)のある子どものなかには, 漢字の書字行動の獲得過程で単調な繰り返しによる練習を拒否する場合がある。本研究は, このようなADHDのある子どもに対し個別式の「e-支援」を利用した教材や指導法を開発し, 書字行動の獲得を阻害する要因の行動的翻訳の効果を明らかにすることを企図し進めてきた。 今年度は従来開発してきた漢字や英単語のスペリングの書字指導, 読字指導のためのソフトウエアを個別式「e-支援」システムで稼働させられるようさらに改良を重ねてきた。改良を何度も重ねたことで, 個別式「e-支援」システムを開発することができ稼働させるまでになってきている。個別式「e-支援」を実施するためには, 対象となる児童生徒の書字行動の獲得状況やつまずきの原因を個人ごとに明らかにする必要がある。ADHDのある子どもは障害の状況や学年も個人の学習歴も異なるので, これを具体化するために教育相談への参加者を募り, 協力者となってもらうための実態調査を進めてきた。この教育相談は研究の実施計画に基づき, 実験参加者及び家族の理解と同意を得るとともに, 個人の情報やプライバシーが流失しないよう, 資料の保存・管理はもちろん, 実験に協力者として参加した大学院生にも事前指導・事後指導を十分に行って取り組んだ。実験協力を大学院生2名に依頼したので1年間を通して実施することができた。これらの結果は, 雑誌論文, 学会報告, 図書等を発表するさいに報告することができた。
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