2006 Fiscal Year Annual Research Report
働く人間への共感的理解による職業観、勤労観の育成をめざす社会科学習の基礎研究
Project/Area Number |
18530687
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大沢 克美 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20323735)
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Keywords | 教育学 / 社会科教育 / 職業観 / 勤労観 / 共感的理解 |
Research Abstract |
本年度は研究計画に従い、先ず製造業及び農業に関して、優れた産業技術で特色ある経営・生産活動を行っている企業や農家の情報を収集し、調査対象リストを作成した。それを踏まえて、調査対象の絞込みとそれに基づく調査依頼を行った。 その結果、製造業では、開発や生産の高い技術でよく知られた大阪府堺市の中野鉄工所、同東大阪市のテサキ製作所、広島県広島市のマツダ本社工場、岡山県倉敷市のナカシマプロペラ玉島工場、石川県松任市の木地リード本社工場で実地調査を行った。また、農業では、優れた稲作の技術で有機栽培に取り組む会津有機米研究会の佐藤真一氏宅で実地調査を行った。各調査の観察及び聞き取りで明らかになった内容は、各調査対象の特色がわかる小項目を立てて、調査報告書としてまとめた。 本年度は、各調査内容から、働く人間への共感的理解をめざす教材を作成していく際の「教材化の視点」を検討することが当面の課題であったことから、その一般化を図るために当初の予定より調査回数を増やすと共に、仮説となる視点の相対化を図るために金融サービス業である都市銀行の支店を取り上げた実地調査も実施した。こうして明らかになった教材化の視点に基づいて、小学校社会科では、船舶用の大型プロペラ(スクリュー)を開発・製造しているナカシマプロペラと設計部次長の花岡睦八氏を取り上げた単元プランを作成した。また、中学校社会科では、新たな発想で自転車部品を開発した中野鉄工所とその代表である中野氏を取り上げた単元プランを作成した。 なお、授業実践については今回の調査対象が遠隔地になったことと、調査回数を増やしたことにより次年度以降に行うこととした。
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