2007 Fiscal Year Annual Research Report
多様なアフォーダンスの発見としての子どもの描画過程の研究
Project/Area Number |
18530688
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 哲夫 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (90187211)
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Keywords | アフォーダンス / 知覚 / 創造性 / 描画 / ドゥルーズ / クリシュナムルティ |
Research Abstract |
子どもの描画プロセスを調べ、そこに含まれる創造的なるものを解明することを目的とする本研究では、平成18年度の研究成果を踏まえ、引き続き以下の仮説の検証を行い成果を得た。 1.子どもは、線を引きつつ様々な知覚や、多様なアフォーダンスを探り当てている。そして新しく発見したものを利用することで、描画活動行為を駆動していっている。 2.抽象的一般的な創造力なるものは無く、創造性は主体と環境との接触の多様な可能性の中にある。 以下、当初提出した本年度計画の順番にそって、実績の概要を報告する。 1.18年度に実施した調査から、主に、描画モチーフの選定と調査実施手順について問題点を洗い直し、必要な調整と変更を行った。 2.研究に協力してもらう学校を新潟大学教育附属新潟小学校とし、石塚崇教諭と打ち合わせ、対象のクラスを選び、具体的な時期、内容、方法を決定した。 3.18年度の研究成果を元に、ドゥルニズの創造性に関する理論を中心に、理論的な枠組みの再検討を行った。 4.世界の民族美術を収集しているケ・ブランリー美術館、それらとの比較の意味で伊丹市立美術館での「三沢厚彦ANIMALS+展」、新潟県ジュニア美術展等、県内の児童美術展に子どもの絵を取材し、造形における知覚の在り方と創造的な描画の特質を調査した。 5.小学校の中学年、高学年の児童を対象に、実材(ぬいぐるみ、建機のおもちゃ(3,4年生)、チョコレート(5年生)を用いた描画プロセスの調査を実施。観察と記録によるデータを得た。 6.調査の後、記録を整理し、調査した児童の描画におけるアフォーダンスの知覚と創造的なプロセスの発動を分析した。 7.研究成果を大学美術教育学会兵庫大会において発表した。また美術科教育学会誌に論文を発表した。 8.2年間の研究成果と今後の課題をまとめ、報告書を作成した。
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Research Products
(2 results)