2006 Fiscal Year Annual Research Report
「多文化共生」のための教育と外国人保護者の果たす役割ー奈良の事例を通してー
Project/Area Number |
18530706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
田渕 五十生 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (10179864)
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Keywords | 多文化共生 / 在日コリアン / 保護者の会 / 民族的アイデンティティ / 定住外国人教育 |
Research Abstract |
在日コリアンの2世を中心として設立された「奈良・外国人保護者の会」も本年(2007年)で、15年目を迎え、さまざまな活動を展開している。今夏には、創立15周年記念シンポジウムを開催予定で、申請者の田渕がコーディネーターを勤めることになっている。シンポジストニは、「保護者の会」に設立当初から関わった鄭順子、彼らに寄り添ってきた教師の大久保佳代、在日韓国人民族団体の民族教師、奈良県教育委員会関係者である。多面的な側面から15年間の取り組みが総括されるものと期待している。申請者は、そのシンポジウムに向けての準備を行ったことが、本年度の大きな実績であった。 「奈良・外国人保護者の会」の主要な活動の一つは、子どもたちを仲間に出会わせるための「サマーキャンプ」である。もう一つは、自分たちの民族文化を地域社会に向かって発信する文化祭「ウリ・フェスタ」である。 本年度の調査は、下記の三つのグループへの構造的なインタビュー調査を行ったことである。いずれも、今夏のシンポジストの候補者である。三っのグループのメンバーは下記の通りである。インタビューしたテープを文字起こしも既に終えている。 一つは、組織の設立に関わった、李和子、鄭順子氏の二人の保護者。 二つは、「保護者の会」の設立以来、その活動を支えてきた、大久保佳代、福沢康之氏の二人の教師。 三つは、「保護者の会」の活動に子どもとして関わり、成長して現在大学生である金亜民氏と社会人になってすでに働いている趙三珍氏。 以上のように、当事者である保護者、それを見守ってきた教師、活動の中で育ってきた子どもたちの意見を聞き取り、民族的アイデンティティの育成に「保護者の会」の活動がどのような役割を果たしたか、多面的に捉えた。
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