2008 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの対人関係認識の発達に即した道徳的判断力育成プログラムの開発
Project/Area Number |
18530712
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 由美子 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 准教授 (40206545)
|
Keywords | 道徳教育プログラム / 対人関係認識 / 道徳性の発達 / 道徳的判断力の育成 |
Research Abstract |
本年度は最終年度なので、対人関係認識の年齢的変容に応じて道徳的判断力を育成するプログラムの開発を行った。具体的には次のような成果が得られた。 1.小学校中学年までは共感を育成することが重要で、道徳的判断力の育成は小学校高学年からの課題であることが明らかになった。 2.小学校高学年において道徳的判断力を育成するには、ふたつのことが必要であることが明らかになった。ひとつは、判断基準をつくるための道徳的思考力の育成であり、もうひとつは判断基準を実際に運用してその確からしさを確認し定着させるための体験活動である。それぞれについてプログラムを提案した。 (1)道徳的思考力の育成のために、教科での推論や比較の能力と関連させたプログラムモデルを提案した。 (2)道徳的判断力の芽生えを行動化することを通して価値として定着させるために、構成的集団的活動と組み合わせた道徳教育のプログラムモデルを提案した。 小学校高学年からの道徳教育の困難さは指摘されているが、それを克服するための具体的なプログラムモデルは十分開発されているとはいえない。本研究により、道徳教育を中心としながら、学校全体のカリキュラムと連動した道徳教育プログラムを提案できた。国際学会でも、実践者との共同によってプログラムを開発した点が高く評価されている。
|
Research Products
(5 results)