2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヨハネス・イッテンの芸術教育における総合性について
Project/Area Number |
18530717
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
金子 宜正 高知大学, 教育学部, 助教授 (20263965)
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Keywords | ヨハネス・イッテン / 芸術教育 / 美術科教育学 / バウハウス / イッテン・シューレ / エヴァ・プラウト / 竹久夢二 / 自由学園 |
Research Abstract |
イッテンの芸術教育活動は、ウィーン時代、ヴァイマール時代、ベルリン時代、クレフェルト時代、そして晩年に至るまでのチューリッヒ時代に大別できる。邦訳されたイッテンの著書は、チューリッヒ時代に出版されたものであり、かつて我が国のイッテンの芸術教育への認識はその一端に留まっていた。イッテンの芸術教育の全体像を捉えるには、欧州に保管されている膨大な未公開資料を調査することが必要である。また、関係者への聴き取り調査などを丹念に進めることにより、実際の授業の様子が明らかとなり、イッテンの芸術教育の特質を捉えることができる。これまで私の調査研究では、ベルリンのイッテン・シューレで竹久夢二や水越松南が教えた授業内容を明らかにするとともに、自由学園からの留学生の活動を纏めた。 平成18年度は、これまでの私の調査研究により、新たに所在が判明した資料について欧州(スイス・ドイツ)で研究調査を行うとともに、現地の関係者からの聞き取り調査及び現地の研究者等との意見交換を行った。これまでにベルリンのバウハウス資料館等に拙稿(英文)が保管されることになったが、現地の研究者からは、私の新たな論文を期待している旨の意見を戴いた。 欧州での調査をふまえ、必要な関連資料の調査を国内で行った。また、以前からの調査をふまえ、発展させた研究成果「ヨハネス・イッテンの芸術教育における人間を中心とする考え方について-『イッテン日記』の内容分析とエヴァ・プラウトとの談話をふまえて」が美術科教育学会誌『美術教育学』第28号に掲載された。プラウトはイッテンの教え子の一人であるが、私は以前プラウトから直接イッテンの授業について話を伺い、体操の実演を見せて戴いた。前掲論文では、プラウトとの談話をふまえ、『イッテン日記』の内容やクレフェルトにおける授業内容に触れながら、イッテンの芸術教育における総合性の一端について明らかにした。
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Research Products
(1 results)