2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヨハネス・イッテンの芸術教育における総合性について
Project/Area Number |
18530717
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
金子 宜正 Kochi University, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (20263965)
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Keywords | ヨハネス・イッテン / 美術教育 / エヴァ・プラウト / バウハウス / イッテン・シューレ / ボリス・クライント / 国際情報交換 / ドイツ:スイス |
Research Abstract |
私は、本科研の研究課題において、世界的な美術教育者として知られるヨハネス・イッテンの芸徳教育に関わる未公開資料(手書きの日記帳や書簡等)を中心に、欧州各地での研究調査及び教え子や関係者等への聞き取り調査を行なった。イッテンの教え子、エヴァ・プラウトへの聞き取り調査と関連資料調査等をふまえ、イッテンの芸術教育実践を具体的に明らかにし、人間を中心とした教育姿勢や考え方について論じた(論文「ヨハネス・イッテンの芸術教育における入間を中心とする考え方について-『イッテン日記』の内容分析とエヴァ・プラウトとの談話をふまえて-」2008年3月美術科教育学会『美術教育学』賞受賞)。2008年のInSEA国際美術教育会議では、イッテン教育のザールブリュッケン国立美術工芸学校への寄与について、英語で研究発表を行なった。その際、イギリスの研究者から発表内容を国際学術誌に寄稿の依頼を受けた。国内では、『バウハウスと戦後ドイツ芸術大学改革』(風間書房2009)にザールブリュッケン国立美術工芸学校におけるバウハウス教育学の貢献についての論文が掲載出版された。更に、ザールラント現代芸術研究所からの依頼により、イッテンの教え子、ボリス・クライントと日本やイッテン教育との関わりについて論じた(『Boris Kleint』Kruger出版社2009ドイツで出版)。また、以前にドイツの研究者から依頼され、ドイツで開催された国際会議での講演「ヨハネス・イッテンと禅」の内容に、今回の研究成果を加えイッテンと日本人画家(竹久夢二・水越松南)や日本入学生の出室光子・笹川和子との交流等を含め、イッテンの芸術教育と墨絵や禅の思想との関わりについて包括的に明らかにした。本研究の一端はドイツの研究書籍(英語)に掲載され出版された(『Esoterikam Bauhaus』Schnell & Steiner出版杜2009)。
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Research Products
(5 results)