2008 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育と教科教育の融合によるオモチャ・教材の開発に関する研究
Project/Area Number |
18530743
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
村上 由則 Miyagi University of Education, 教育学部, 教授 (90261643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 好成 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40183959)
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Keywords | 重度運動障害 / 代替コミュニケーション / 脊髄性筋萎縮症 / 情報通信技術 / 特別支援教育 |
Research Abstract |
1. オモチャ・教材の開発とコミュニケーションについて 重度運動機能障害を示すSMA児において、昨年度解明された対象児固有の連合運動パターンについて関わる側に理解が浸透し、コミュニケーションがより確実なものとなった。日常会話程度であれば、Yes-No出力システムで可能となった。このコミュニケーション経過を分担者水谷の開発したソフトにより分析し、内容の正確さを確認した。対象児を担当する学校教員が、授業に当初開発したシステムを活用したスイッチを組み込み、市販の幼児・児童用PCソフトを利用している。これがさらに、対象児の出力システムとコミュニケーションの動機づけを高めていると考えられる。研究協力者後藤による重度脳性マヒ者の実践研究では、コミュニケーション支援ソフト等の活用により対象者とのコミュニケーションをより高度化することができた。ソフトに組み込まれている画像を活用し、感情表現レベルをひとつのモニター画面やパネルに段階的に表示する形式を作り「気持ちレベル」コミュニケーションを可能とした。 2. 融合カリキュラムのモデルについて 大学院、特に教職大学院(特別支援領域)の学生に電子回路工作の授業を分担者水谷および同協力者菅井と共に実施した。教員養成課程および特別支援教育特別専攻科の病弱・肢体不自由関連のカリキュラムに、研究の過程で作成した電子回路機器や実践を組み込むことができた。また、言語聴覚士養成機関のカリキュラムである「拡大代替コミュニケーション」「重複障害(盲・ろう等)」でも、電子回路等の使用体験を組み込むことができた。 電子系に不慣れな特別支援領域関連や言語聴覚士養成機関の院生・学生には、子どもとの実践経過と機器等の両方示すことが必要であり、特に機器利用の以前の環境整備と対象児・者の動作および認知機能の評価とそれに基づく機器等の調整が重要であることを示すことの重要性が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)