2007 Fiscal Year Annual Research Report
障害学生との交流に対する健常学生の支援意欲向上教育プログラム作成への包括的研究
Project/Area Number |
18530745
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河内 清彦 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50251004)
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Keywords | 障害学生との交流 / 健常学生 / 自己効力感 / 授業効果 / 障害開示 / 認知変容 |
Research Abstract |
本研究では,障害関連情報が障害学生との交流に対する健常学生の自己効力感に及ぼす影響を解明することを目的とした。まず18年度に実施されたオムニバス形式の心身障害学関連講義の効果についての研究結果の問題点を解決するため、学期の最初の授業と最後の授業を受講した182名の学生を対象に、視覚障害、聴覚障害(障害条件)と非障害(統制条件)の大学生を交流対象と仮定した「交友関係尺度」と「自己主張尺度」(河内,2003,2004)の8尺度への回答を分析した。この際、事前得点に基づき調査参加者を自己効力感の強い高得点群と、自己効力感の弱い低得点群の二群に分け、両群において既存の情報源の種類を比較し、有意差のないことを確認した。一方、講義効果については低得点群では全ての障害条件で得点上昇は有意であったのに対し、高得点群では有意に得点現象を示す聴覚障害条件もあり、講義効果を測定する上での質問紙法の限界が明らかとなった。また、当該講義への興味の程度及び当該講義以外の障害関連講義受講の有無についても両群に有意差は得られなかったことから、講義の内容そのものよりは調査参加者の自己効力感の程度が重要な役割を果たしていることが示唆された。 次に、障害開示の効果を検討するため、210名の大学生を対象に、1回目は一般の大学生の開示文を、2回目はそれに弱視者による3種類(ポジティブ,ニュートラル,ネガティブ)の障害開示文の一つを加えたものを提示し、上記の「交友関係尺度」と「自己主張尺度」及び自己開示認知に関する項目への回答を求めた。 その結果、1回目の3群の回答には有意差は認められなかったが、2回目の3群の回答には有意差が得られた。また、1回目と2回目との回答の比較では、得点上昇が見られ、これに関する統計的分析を実施中である。さらに、性別、年齢、接触経験、開示条件、認知的変数との関連についても検討を行う。
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Research Products
(1 results)