2006 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害を持つ鍼灸・手技療法師のための経絡・経穴に関する教育方法の開発
Project/Area Number |
18530747
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
坂本 裕和 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (40225818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 友実 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (70235117)
藤井 亮輔 筑波技術大学, 保健科学部, 助教授 (70352565)
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Keywords | 障害者教育 / 経絡経穴 / 足の太陽膀胱経 / 足の陽明胃経 / 足の小腸胆経 / 足の小腸胆経 / 解剖学 |
Research Abstract |
平成18年度は、鍼灸・手技療法師が経絡経穴とその周囲構造物との位置関係をよりよく理解するため、実際に刺鍼を施した解剖実習体を通して以下の4経路について検討をした。 (1)「足の太陽膀胱経」の体幹背側から大腿後面の経穴は、皮神経および筋の支配神経の走路とは必ずしも一致しない。殿部での陰部神経への刺鍼位置は、上後腸骨棘と坐骨結節を結ぶ線と仙尾連結と大転子を結ぶ線の交差点、また坐骨神経へは、後者のほぼ中間点に位置する確立が高い。膝窩から下腿の経穴は、総腓骨神経や脛骨神経および膝窩動脈・後脛骨動脈の走路に沿って位置する。(2)「足の陽明胃経」の胸腹壁前面の経穴は、肋間神経本幹の走路に沿って存在する。大・小胸筋および肋間筋に関与するが、腹直筋に対しては、筋上から外側縁、そして外方の外腹斜筋へと位置を変動する。大腿部の経穴は外側大腿皮神経に沿って、大腿筋膜張筋の前縁から外側広筋に位置する。下腿部の経穴は、前脛骨筋とその深層の前脛骨動脈および深腓骨神経に沿う。足背の経穴は、内側足背皮神経に沿って前脛骨筋腱と長母指伸筋腱間を通って長指伸筋の第2指腱に沿って並ぶ。(3)「足の小陰腎経」の胸部での経穴は、大胸筋の胸肋部に位置し、深層では内肋間筋との関わりが深い。腹部では腹直筋の内側縁に沿って並ぶ。(4)「足の小腸胆経」の大腿部の経穴は、大腿筋膜張筋の後縁から腸脛靭帯にかけて存在する。下腿部の経穴は長腓骨筋から長指伸筋に関与し、深層では浅腓骨神経の走路上に位置する。足背の経穴は、中間足背皮神経の分布域を長指伸筋の第4指腱に沿って配列する。 以上の結果より、(1)浅層を走る皮神経の走行は経穴の位置とは必ずしも一致しないが、末梢に向かうにつれて互いに接近する傾向がある。(2)深層を走る主要な神経や血管は、経穴の位置に一致して走行する確率が高いことが示唆された。
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