2006 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害乳幼児の聴能を解発する条件の整理とプログラムの検討
Project/Area Number |
18530749
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中川 辰雄 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00164137)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正幸 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (50222021)
|
Keywords | 聴覚障害 / 乳幼児 / 聴能 / 補聴器 / 認知 |
Research Abstract |
本年度は、聴覚障害乳幼児の補聴器装用状態における音声の可聴性(audibility)の測定と、次年度にまたがる聴覚障害乳幼児の認知スタイルの発達過程を明らかにすることである。 補聴器装用時の音声の可聴性に関して、RECD(Real Ear to Coupler Difference)の測定をインサートイヤホンを用いて行った。プローブチューブマイクロホンを外耳道に挿入して求めた音圧と、同じ刺激音を2ccカプラ内で発生させて測定した音圧との差を周波数ごとに求めてRECDの測定をした。補聴器による増幅音声の特性測定については、無響箱内で音声を提示し、補聴器によって増幅された音声を2ccカプラ内で測定して1/3オクターブ分析を行った。音声の可聴性指標の算出については、聴取閾値をRECDを用いて実耳内での測定値に変換し、カプラ内で測定した増幅音声の測定結果も同様に変換して、両者の比較を行って増幅音声の可聴性をパーセント表示できるプログラムを作成した。 聴覚障害児の認知スタイルの発達に関する研究については、K-ABC心理・教育アセスメントバッテリーにおける認知処理過程を測定する7つの下位検査を用いて小学部に在籍している聴覚障害児の検査を行った。非言語的な4課題(模様の構成、視覚類推、位置探し、手の動作)については標準検査の手続きを踏襲して実施したが、言語的要素を含む3課題(絵の統合、数唱、語の配列)ついては、文字カードを提示したり、被検査児からの反応を音声ではなく、書字で行ったりして変更を加えた。7つの下位検査の中から、乳幼児にも用いることができ、しかも認知スタイルの検出力が高い下位検査を選択するために、引き続き検討を行っている。
|