2008 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害乳幼児の聴能を解発する条件の整理とプログラムの検討
Project/Area Number |
18530749
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中川 辰雄 Yokohama National University, 教育人間科学部, 教授 (00164137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正幸 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (50222021)
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Keywords | 聴覚障害 / 乳幼児 / 聴能 / 解発 / プログラム |
Research Abstract |
聴覚障害乳幼児の聴能を解発する条件として、補聴器や人工内耳の装用下における音声の可聴性と、聴覚障害児の情報の入力経路や処理過程と関係する聴覚認知レベル、そして聴覚障害児と関わる保護者や教師の刺激提示の仕方と感覚入力の選択方法は相互に影響し合って、聴覚障害児に適宜情報が取り入れられていくものと考えられる。本年度の研究では、それらの相対的な関連性を整理し、聴能を解発する条件を検討することを目的としていた。 中川は聾学校幼稚部2年に在籍している6名(人工内耳装用児5名・補聴器装用児1名)を対象として、パソコンでの聴覚学習の効果を検討した。裸耳聴力、・補聴閾値、日常生活での聴きとり及び表出言語の様子と聴覚的認知の発達段階(検知、弁別、識別、理解)に基づいて聴覚学習の課題を割り当ててその効果を考察した。 中川は補聴器や人工内耳を装用している19名の聴覚障害児の装用下の両耳処理能力を両耳統合と両耳分離課題を用いて補装具の装用条件について検討した。両耳統合課題では左右耳からローパスフィルタとハイパスフィルタを通した単語を提示して、単耳聴と両耳聴の成績を比較した。両耳分離課題ではスピーチノイズと単語を融合して単耳聴する場合と、それぞれを別々にして両耳聴する条件を設けて成績を比較した。平均聴力レベルと補そう具の装用状態から両耳処理の成績を整理して、聴覚障害児に有効な補聴条件を考察した。 佐藤は新生児聴覚検査の現状、乳幼児における補聴器活用支援、新生児聴覚検査で聴覚障害と診断された子どもと保護者・家族に対する支援(初回の相談、子どもの聴覚障害についていかに保護者に伝えるか、聴覚障害のある子どもの家族に対する支援)、教育機関における教育的支援(早期における教育的支援、子どもとのコミュニケーションに関わる支援)、聾学校における乳幼児教育相談について、国内外の文献と事例研究から整理を行った。
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