2006 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害幼児への身体を介した早期発達支援 -共同注意行動獲得を指標として-
Project/Area Number |
18530753
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
森崎 博志 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (60294857)
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Keywords | 発達支援 / 広汎性発達障害 / 共同注意 / 身体 |
Research Abstract |
本研究は、幼児の通園施設において、自閉的な幼児を対象に、遊びを含めた身体的相互交渉を基盤に、共同注意の成立を通した他者認知の形成、対人相互性を育む発達支援を実施し、幼児期におけるこの実践の発達的意義について検討することを目的としている。年少から年長まで充分な対象児を設定し、年齢や継続期間による要因も踏まえ、また、ビデオ分析を通した詳細な検討も加えながら、自閉症を中心とする広汎性発達障害児における共同注意行動の獲得過程について明らかにしようとするものである。 このような目的に基づき、昨年度から、幼児の通園施設において、年少から年長まで15名ほどの発達障害児を対象に、動作法経験のある学生、施設職員がマンツーマンで子どもを担当し、週1回(30分×2セッション)の動作法訓練会を実施している。 全対象児について、記録用のファイルを準備し、毎回のセッションについて記録し、加えて、園内での日常の行動の様子や保護者からの家庭での様子の報告等も含め、施設職員により適宜記録がなされている。 このような実践の結果、昨18年度1年間の実践において、多くの対象児に日常行動に良好な発達的変容が見受けられてきた。その中で、卒園した園児の実践経過の一部について、既に昨年度中に事例研究として公表を行った。 なお、本研究の主たる対象は自閉症児であるが、本実践を展開していくにあたり、他の様々な発達障害児も含めた形での発達支援活動を行っている。実践報告についても、自閉的な子どもを中心としながら、発達障害児全体を対象としているものもある。いずれにしても、共同注意行動を始め、コミュニケーション発達に主に視点を置いて検討したものである。
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