2007 Fiscal Year Annual Research Report
高機能広汎性発達障害の学齢期における予防・開発的なこころの健康支援に関する研究
Project/Area Number |
18530763
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 潤一郎 Meiji Gakuin University, 心理学部, 准教授 (70308071)
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Keywords | 広汎性発達障害 / 精神保健 / 特別支援教育 / 所属感 / 予防介入 |
Research Abstract |
1)HFPDD児における所属感とその効果の実証的検討アスペルガー症候群(AS)の小中学生を対象に参加支援プログラムを実施した。プログラムは小集団形式で工作,実験などの活動を行うもので,AS児が活動に参加し続けられるように工夫されており,週1回90分,1クール6〜8回からなる。8名(小学1〜中学1年,全員男子)が3クールに分かれて参加した。この結果,18年度からの2年間で15名がプログラムに参加し,14名が参加を完了した。12名が活動の場に所属感を得ており,7名が一緒に活動した他児にポジティブな関心を寄せていると判断した。AS児は参加に成功することで活動の場に所属感を得るようになるが,一緒に活動した他児との問にメンバーシップを同時に感じるわけではないと考えられた。18年度にプログラムへの参加を完了した6名について,プログラム終了後13〜18ケ月の状態を追跡調査した。19年度も継続してプログラム(年8〜9回)に参加していた4名では自己効力感が増加し,参加していなかった2名では低下した。後者の1名は情緒・行動の問題がある(CBCL,DBC・P)と評価された。所属感をもてる場に参加していることと彼らの心の健康の関係について引き続き検討する。 2)学校コミュニティーにおけるHFPDD児の所属感を育成するための条件3名のスクールカウンセラー(小・中学校)に聞き取りによる予備調査を行った。その結果,「HFPDD児だけを対象に特別なプログラムを行なうことは学校では理解が得られない。居場所がない,友達を作れないでいるという点で教員が気にかけている子どもを広く対象にして,居場所を提供し,友達作りを手助けする活動をスクールカウンセラーが行うことは可能である。そうした活動を通じて,結果的にHFPDD児も学校コミュニティーに所属感をもつ場を得られるかも知れない。」ことが示された。
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Research Products
(1 results)