2008 Fiscal Year Annual Research Report
高機能広汎性発達障害の学齢期における予防・開発的なこころの健康支援に関する研究
Project/Area Number |
18530763
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 潤一郎 Meiji Gakuin University, 心理学部, 准教授 (70308071)
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Keywords | 広汎性発達障害 / 精神保健 / 特別支援教育 / 所属感 / 予防介入 |
Research Abstract |
1、高機能広汎性発達障害(HFPDD)児における所属感とその効果の実証的検討 集団参加支援プログラムに参加したAS児14名(男13名、女1名、7歳3ヶ月〜13歳3ヶ月)のうち10名(71.4%)が、終了時に活動の場に所属感を得ており、一緒に活動する他児にポジティブな関心を持っていた。しかし、彼らの仲間関係に対する関心は薄いと思われた。参加前後で主観的な気分は有意(p<0.05)に良好となったが、自己効力感、情緒・行動の問題に有意な変化は見られなかった。 参加終了後9-18カ月の時点で、継続して同様のプログラムに参加していた7名は、自己効力感が有意(p<0.05)に増加し、情緒・行動の問題に有意な変化を認めなかった。継続して所属感を得ることが彼らの自己効力感を高めることに関与する可能性が示唆された。 2、学校コミュニティーにおけるHFPDD児の所属感を育成するための条件 関東地区の都市部(東京23区、横浜市、さいたま市など12都市)にある全中学校のスクールカウンセラー(SC)1129名を対象に、郵送によるアンケート調査を行い、370通の有効回答(有効回答率32.8%)を得た。SCの96.2%が勤務校にHFPDD(疑いを含む)の生徒が在籍していると回答し、71.6%がHFPDDの生徒が相談室を利用していると回答した。SCの多くはHFPDDの生徒に個別面接、保護者面接を行っていたが、グループ活動を行っていたのは僅か(10.6%)で、SCの73.2%が彼らに対する支援を不十分と評価した。HFPDDの生徒が参加できるグループ活動の場を相談室に設けることは、学校コミュニティーに彼らの所属感を育成する有用な方法の一つと思われ、活動プログラムのSCへの提供、SCの時間の確保等がその実践のために必要な条件と考えられた。
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Research Products
(2 results)