2007 Fiscal Year Annual Research Report
発達性読み書き障害への支援体制整備のための科学技術・研究開発の運営方法の開発
Project/Area Number |
18530769
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Research Institution | National Institute of Science and Technology Policy |
Principal Investigator |
石井 加代子 National Institute of Science and Technology Policy, 科学技術動向研究センター, 主任研究官 (30193246)
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Keywords | 発達障害 / 読み書き困難・障害 / 脳神経 / 認知 / 心理 / 行動 / 社会 / 養育・学習 |
Research Abstract |
現世人類の進化、コミュニケーション、社会形成、道具使用、科学技術、教育政策などに関する研究開発の動向を調査し、現在用いられている言語・文字・コミュニケーション手段が、ヒトの認知脳科学的観点から見ると、コミュニケーションにとって最適な状態を志向して作られていないことが示唆される事を見出した。これを音響学会誌にて発表した。 昨年発表した論文「人間を理解するための認知ロボティクス」の議論を更に進め、進化・人類学における「社会脳仮設」、近代以降の科学技術・学術の変遷、日本における人間観・世界観、認知脳科学から見た自己・他者め形成に関する研究の動向を調査した。ロボットはヒトと意図的に相互理解できるだろうか」という課題の下に、日本で認知ロボティクスを勧めることによって、ヒトにおける他者・自己認識や、相利共生的社会関係の形成について解明が進むことを示した。 さらに、ヒトのこころや言語・コミュニケーションの問題について、異分野の研究開発者や一般社会の人々が共に考え議論できるように、「ヒトの始めた不思議なゲーム」という仮説を創出した.実際にこの仮説を、日本や欧米の研究者に投げかけ、他者・自己の認識や、意識の形成過程、言語によるコミュニケーションの確かさ・不確実さ・柔軟性の仕組みを解明する可能性について議論を進めている。 1960・70年代から現在までの日欧米における、社会・経済情勢の変遷、科学技術の進展、科学技術政策の変遷と、これらの関連性を調査し、日太の『広義の脳科単1・ライフサイエンスがどのような学問でありうるかを考察した。この結果を研究技術計画学会で発表し、広義の脳科学やライフサイエンスを包括する「ヒトと社会の科学」設立することについて提案を行った。
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