2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540003
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
張間 忠人 Hokkaido University of Education, 教育学部, 准教授 (30258313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 純三 東海大学, 理学部, 教授 (40022727)
和地 輝仁 北海道工業大学, 総合教育研究部, 准教授 (30337018)
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Keywords | 代数学 / 完全交差 / ゴレンスタイン環 / アルテイン環 / レフシェッツ性 / 対称式 / ヒルベルト関数 / ジェネリックイニシャルイデアル |
Research Abstract |
昨年度から継続して、東海大学の渡辺純三氏、北海道工業大学の和地輝仁氏と完全交叉のレフシェッツ性問題に関する研究を行った。とくに、渡辺氏の協力の下で、完全交叉が強いレフシェッツ性を持つかどうかの判定方法として、中心的単純加群なる概念を導入し、それを使った新しい手法の開発など、一定の成果を得ることができた。また、和地氏の協力の下で、k階レフシェッツ性なる概念を導入し、完全交叉のジェネリックイニシャルイデアル決定問題への応用を図ることができた。主要な結果は以下の通りである。 1.アルティン環Aの一次式gで定義されるベキ零行列×g:A→AのJordan標準形において、最大の分解が存在することを示した。また、その最大分解がヒルベルト関数から定まる分解に一致することと強いレフシェッツ性をもつことは同値であることを示した。 2.一般の次数付ゴレンスタイン環が強レフシェッツ性をもつ必要十分条件はある中心的単純加群たちが強いレフシェッツ性をもつことである。さらに、応用として、有限自由拡大において、強いレフシェッツ性は保たれることを示した。また、この定理を使って、強いレフシェッツ性をもつ完全交叉の様々な例を構成した。 4.強いレフシェッツ性はテンサー積で保たれることはよく知られているが、その逆もヒルベルト関数に関する若干の条件の下で成り立つことを示した。 5.n変数多項式環において、n階強レフシェッツ性をもつイデアルのジェネリックイニシャルイデアルは、そのヒルベルト関数で定まるalmost revlexイデアルに一致することを示した。この定理を使って、様々な完全交叉のジェネリックイニシャルイデアルを決定した。 6.k階弱レフシェッツ性をもつアルティン環のべッチ数の上限を与えた。とくに、n階弱レフシェッツ性のべッチ数の上限は、almost revlexイデアルで与えられることを示した。
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