2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540005
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
後藤 泰宏 Hokkaido University of Education, 教育学部, 准教授 (40312425)
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Keywords | 代数幾何 / 数論 / カラビーヤウ多様体 / L関数 / モジュラリティ / 形式群 / 国際研究者交流 / カナダ |
Research Abstract |
本研究の目的は, L関数が具体的に計算できる代数体上の2〜4次元の代数多様体の族を新たに構成し, モジュラリティ問題を中心に, 多様体の数論的, 幾何的性質を明らかにすることである。中でも, 重さ付きフェルマー型多様体から, 商と変形を用いて作られる3次元カラビーヤウ多様体について詳しく調べることとした。 研究の最終年度にあたる20年度は, カラビーヤウ多様体のモジュラリティの分析をさらに進めること, 形式群を調べること, Tate予想とBeilinson予想の成立を検証することを目的とした。連携研究者である由井典子教授(カナダ・Queen's大学)と緊密に連携をとり, 国内・国外で1度ずつ研究打合せを行うことによって, 次の結果を得た。研究成果については4度の研究発表を行い, 3本の論文を最終準備中である。 1. コホモロジー群の様子が詳しく分かる場合, カラビーヤウ多様体のL関数をモチーフ的に分解できる。その分解因子を個々に分析することによって, L関数のモジュラリティが成立する3次元カラビーヤウ多様体の例を数多く見つけた。 2. フェルマー型多様体の有限商を取ることによって作られる3次元カラビーヤウ多様体の形式群の高さを計算し, その値データの収集を進めた。そして, データ分布の一般的特徴に対する考察を深め, 予想を精密化した。 3. 3次元カラビーヤウ多様体に対するBeilinson予想の検証には課題を残すこととなったが, 2次元と4次元多様体に対するTate予想について検証の目処を立てることができた。考察したのは, 2〜4次元フェルマー型多様体の商を取ることによってできる多様体である。
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