2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹内 光弘 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00015950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 聡 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (60252160)
増岡 彰 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (50229366)
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Keywords | ホップ代数 / 量子群 / 組紐カテゴリー / FRT構成 / ガロア理論 / 森田理論 / 余加群代数 / 結晶基 |
Research Abstract |
本プロジェクトにおいて昨年度は、準三角ホップ代数、組紐カテゴリーに関係する新たな結び目不変量の研究を新しい視点から見直すことから始め、研究代表者(竹内)は、あるべクトル空間V上の、4項関係式をみたす無限小組紐変換tから、いわゆるFRT(Faddeev, Reshetikhin, Takhtajan)構成と双対的な方法によりある余可換ホップ代数が構成できることを見し、さらに、第2の研究として、ガロア理論の量子化の立場から、Caenepeel, Crivei, Marcusらと協力して、H森田理論を研究し詳しい結果をJournal of Algebraに投稿し掲載を受理された。この共著論文は今年度刊行された。 本年度は昨年度に着手した本プロジェクトの研究テーマを研究実施計画に沿ってさらに推進し、多方面から研究を実施した。量子群の理論は特に表現論の分野において著しい成功を収め、いわば代数群論やリー環論の量子化といった趣を呈している。この考えの延長上に非可換環を用いてある種の代数幾何学を建設することが考えられる。研究代表者(竹内)はかつて量子代数を用いて線形代数の量子アナログを構成する試みを行い、一定の成果をあげた。そののちこの方針を受け継いでたとえばケーリー-ハミルトンの定理の量子化等がえられている。非可換環の代数幾何を展開する場合最大の困難は研究対象をいかに絞るかである。Goodearl, Letzter, Lenegan等の先行する研究によれば量子行列の係数環のような自然で簡単な代数の場合でもprimeあるいはprimitive spectrumを決定するのは相当困難でかつ興味深い数学的現象を含んでいる。今年度はこの方向の研究に向けて準備的研究を行った。 本年度第2の研究としては、有限群の代わりに代数群(つまり可換ホップ代数)を用いたガロア理論としてのPicard-Vessiot理論をさらに発展させて量子群を用いたガロア理論に向けて準備を進めた。その一環として、天野勝利、増岡彰とPicard-Vessiot理論へのホップ代数的アプローチについての共著論文をまとめHandbook of Algebraへ投稿した。 さらにHopf-Galois理論をさらに推し進めるためBoehm, Brzezinskiらの先行研究にそっていわゆるHopf algebroidを研究し、cleft拡大と接合積についての良く知られた結果をHopf algebroidの場合に拡張した。 最後に本プロジェクトの分担者内藤聡は量子アファイン代数及び完全結晶基の構成等について昨年度に引き続き研究を実行し、量子アファイン展開環上のextremalウェイト加群の結晶基底とLittlemanのパス模型について、佐垣大輔との共著として雑誌『数学』に論説を寄稿した。
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Research Products
(3 results)