2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540010
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 達雄 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30022726)
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Keywords | 概均質ベクトル空間 / 分類 / クイバー |
Research Abstract |
2以上のnに対して、n次一般線形代数群の標準表現がテンソルされた簡約可能代数群の表現で有限軌道を持つものは、大島利雄氏の研究により超幾何関数と関係があることが指摘されたのを受けてその分類を始めたが、完成するのに1年近くを必要とした。もう少し一般化してやるために一般線形代数群のかわりに特殊線形代数群の場合にやった。これは一般線形代数群の場合を含む。このとき既約成分の個数は高々3個になることが証明される。1個の場合は、佐藤幹夫-木村達雄、V. Kacにより1970年代に完成した。また一般線形代数群の直積の場合は、既約成分が2個の場合は名倉一二井谷により、また既約成分が3個の場合は神吉知博により分類された。そこで一般線形代数群に限らない一般の場合を、木村達雄が大学院生の神吉知博、牧徳達、大内将也、高野みずほと共に研究した。難しいのは斜交群が関係してくる場合なので、まず社交群と一般線形代数群の直積の標準表現の軌道分解と各軌道における等方部分群のリー環を完全に計算して、その結果を駆使して詳しく調べていった。スカラー倍が各既約成分に独立に作用する場合の分類は、木村達雄-笠井伸一-保倉理美によって完成しているので、それを基礎にしてスカラー倍を減らしても有限軌道になるものを調べた。2個の場合は基本的に4通りのスカラー倍の制限が存在するが、3個になると、制限の方法が飛躍的に増えてしまうので、分類の計算もすごく長くなってしまう。一応全体の分類は完成したが、証明がわかり難い上に長いので、すっきりした簡潔な証明を考えているところである。スカラー倍の微妙な違いを系統的に取り扱う方法が見つかれば、すごく整理されると期待される。3個の既約成分を持つ場合で斜交群が関係する場合の証明は、スカラー倍が微妙に異なる二つの空間の軌道の有限性に帰着するので、ここが整理されれば、すごく簡潔になると期待される。
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