2008 Fiscal Year Annual Research Report
線形関数方程式系を満たす解析関数の数論的性質についての研究
Project/Area Number |
18540012
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
天羽 雅昭 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60201901)
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Keywords | q一関数 / G一関数 / パデ近似 / 1次独立性 / 超越測度 |
Research Abstract |
当該科学研究費補助金による昨年度の研究を継続し、関数方程式の鎖を満たす Mahler 型関数の特殊値についての研究を Vaananen 氏(オウル大学、海外研究協力者)と共に行った。それにより、Duverney 氏が導入した帰納的方法(Math. Proc. Cambridge Phil. Soc.130,2001)を応用することで、無限積で表わされる関数の整数分のーでの特殊値の代数的独立性についての結果が得られた。現在、主結果の応用に関する研究を続行中で、その成果を Vaananen 氏との共著論文として執筆する予定である。 また、Bugeaud 氏(ストラスブール大学)との共同研究で、automatic irrationalsについての研究から示唆を得た新しい無理数度の概念を2種類導入し、それに関する存在問題を考察した。具体的には、連分数と区間縮小法を組み合わせた構成的方法および語を利用した小数の構成にFolding Lemma を応用した方法などにより、適当な条件の下で、与えられた無理数度を持つ実数の存在を示した。さらに、与えられた無理数度を持つb-正規数の具体例の構成にも成功した("Expansions in integer bases and exponents of Diophantineapproximation"と題した Bugeaud 氏との共著論文を投稿中)。 研究代表者は、当該研究費補助金によりハンガリーへの渡航(2008年6月15〜22日)およびフィンランドへの渡航(2008年8月11〜31日)を行った。これらの渡航は、上記研究成果を得るに当たって大変有益であった。
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