2008 Fiscal Year Annual Research Report
半整数の重さのモジュラ形式及びジーゲルモジュラ形式の数論的研究
Project/Area Number |
18540013
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小嶋 久祉 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 教授 (90146118)
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Keywords | モジュラ形式 / 半整数の重さのモジュラ形式 / ゼータ関数 / ヤコビ形式 |
Research Abstract |
我々の研究業績は次の4点である。 最初に第1について述べる。一般の総実代数体上のindex NのJacobi形式fからHilbertモジュラ形式Fへの対応Tを構成し,FのFourier係数をfのFourier係数を用いて,具体的に表示した。またfの平方因子が無い整数におけるFourier係数の平方を,fの対応Tによる像F=T(f)に付随するゼータ関数の中心値を用いて,具体的に表示した。これにより,Kohnen-Gross-ZagierによるJacobi形式のFourier係数の平方と楕円モジュラ形式に付随するゼータ関数の中心値との間の関係式を一般の総実代数体上のJacobi形式の場合に一般化された。 第2に,有限群SL(2,Z/pZ)の指数mのJacobi空間における表現を定義し,その跡をHecke作用素の跡公式を適用することにより虚二次体の類数と二次剰余記号を用いて具体的に表示した。その結果表現を具体的に決定した。 第3に,有限群SL(3,Z/pZ)及びSU(3,p^2)のSU(2,1)上の正則保型形式の空間における表現を定義し,Selbergの跡公式を用いて,その跡を有限和の形に表示した。また,数論的方法を用いて,SU(2,1)の数論的部分群の素数における簡約が,全射であることを証明し、この結果を用いることにより,上の跡を具体的に表示した。また,SL(3,Z/pZ)及びSU(3,p^2)の既約表現の指標が与えられれば,有限群SL(3,Z/pZ)及びSU(3,pr2)のSU(2,1)上の正則保型形式の空間における表現の既約成分の重複度が具体的に計算できる。 第4にマース波動形式fから次数2n+1のジーゲルカスプ形式Fを構成し、Fの標準的ゼータ関数をfの標準的ゼータ関数を用いて表示した。
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