2007 Fiscal Year Annual Research Report
混合ホッジ構造のモジュライ突間のコンパクト化の研究全般
Project/Area Number |
18540017
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中山 能力 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (70272664)
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Keywords | 対数的幾何学 / 混合ホッジ構造 / ホッジ理論 / 加藤-臼井空間 / 巾零軌道 / SL(2)-軌道 |
Research Abstract |
当研究は混合ホッジ構造のモジュライ空間のコンパクト化を、log幾何を用いて構成することを目ざすものであった。今年度は、加藤和也氏、臼井三平氏との共著である、カッターニーカプランーシュミットの多変数SL(2)-軌道定理の混合版を証明した論文が出版された。この結果は当初より、関連分野の様々な幾何的問題への応用が期待されていたが、最近、パールシュタインが早速この論文の結果を応用し、正規関数の零点集合の代数性を一般次元で示せたと発表した。これは有名な未解決問題であるホッジ予想と関係した結果である。当該研究の中での位置づけをいえば、この結果は、構成が期待されている、混合ホッジ構造のモジュライ空間の8つのコンパクト化の間の射のうち最も重要な、カッターニーカプランーシュミット写像の連続性を示すために用いられる予定である。 また、今年度の実質的な第一の成果は、8つのコンパクト化のうちの一つ、ボレルーセール・コンパクト化についての論文をまとめ、投稿できたことであり、その概要は以下の通りである。 1.混合ホッジ構造の場合のボレルーセール・コンパクト化を、ボレルーセール軌道を用いて、純ホッジ構造の場合と並行的に定義することができる。 2.実ベクトル空間のコンパクト化を用いて、ボレルーセール・コンパクト化の局所的な記述ができる。 3.ボレルーセール・コンパクト化が、局所コンパクト性などのよい性質を持つことを証明できる。
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Research Products
(3 results)